芸人という仕事
渋谷の♾ホールでライブを観てきました。
芸人のライブです。
よしもと♾ホール所属の芸人さんは、ネタバトルランキングというものがあり、日々上のランクを目指す芸人たちがライブを繰り広げています。
ランキングシステムを簡単に紹介すると
「ファーストクラス」 (15組)
「セカンドクラス」 (30組)
「サードクラス」 (45組)
「トライアルクラス」 (100組)
「ファームクラス」 (その他大勢)
の5クラスで、ファーストクラスを頂点とするピラミッド型のシステムです。
この枠の中で各々が上のクラスを目指し、芸を磨きネタを披露しています。
そして今回僕が行ったライブは、
トライアルクラスの下位7組とファームクラスの上位15組で行われる、ランク替えのネタバトルでした。
全22組がネタを披露して、最後にお客さん・関係者などが投票をして、選ばれた上位15組がトライアルクラス残留or昇格というものです。
なぜ僕がこのライブに行ったかというと、小中学校時代の友人が芸人をやっていて、現在トライアルクラスにいるからです。
これまでもたまに彼の出るライブには行ったことがありましたが、今回は特別な思いがありました。
芸人の彼とは、今でもよく暇なときは飲みに行ったり遊んだりする仲です。
そして前に一緒に作業をした時に、彼のネタの脚本をみる機会がありました。
未だ完成前のネタで、芸人のネタをこんな風に見ることができて「ラッキーだなー」なんて気持ちで見ました。
けれど、そのネタの斬新で完成度の高い内容を見て、素直に「すげーな」って思いました。
その後も彼と会って遊んでいる内に、そのネタを今はライブでやっているという話を聞いていて、いつかこのネタを生で見たい!とずっと思っていました。
その瞬間!が今日でした。
そして、客席で彼が舞台袖から登場してくるのを見ていました。
はっきり言って死ぬほど緊張しました。僕が緊張するのはおかしな話に聞こえますが、意外とこれは、芸人の知り合いがいてそのネタを見るときはあるあるだそうです。笑
兎にも角にも、舞台に出てきた彼らは(コンビなので)光っていました。いつも2人でバカな話をしている彼には思えないくらい、遠い所にいました。
とてもかっこよかったです。
表現者でした。
そして、2分半のネタを見事に演じ切りました。他のお客さんも驚いていたように感じました。僕も感慨深いものがありました。感動しました。
その後全組がネタを披露して投票が終わり、結果発表でした。
僕の友達は、トライアルクラスに残留することができました。
芸人は演者です。舞台に立って、自ら作った脚本を演じます。0から1を生み出す人達です。
何もないところからアイデアを練り、目に見える形にする。この能力は人間の強さだと思います。
生み出すだけでも大変なことなのに、そのコンテンツで人の心を動かすことはもっともっと何倍も難しいと思います。
僕たちが生きる社会では、日常的に多くのコンテンツ・情報・企画に溢れていますが、世に出ているということは、人の心を掴んだ、動かしたもので、その作品の裏側では数え切れないほどの発想やアイデアがあったし、あります。
何が言いたいかというと、クリエイティブな作品を生み出すというのは本当に偶然の産物で、人間の神秘だと言うこと。
「心を揺さぶる作品」
という点で言えば、芸人の彼のネタはまさに僕の心を揺さぶった、この世の些細な奇跡の1つでした。
これからも応援してます!!!