沖縄の最も熱かった時代 「宝島」
こんにちは!
今日は本の感想を書いていきます。
その本は「宝島」です。作者は真藤順丈さん。
宝島は第160回直木賞受賞、第9回山田風太郎賞受賞の2冠を達成し、このミステリーがすごい賞の5位、週刊文春ミステリーベスト10で7位に入選するなど、文学界の賞をかっさらったすごい作品。
直木賞を受賞した作品は読みやすくて、芥川賞作品みたいに純文学というよりはもっと大衆向けのエンタメ要素が強いものが多いです。
なので、本を読みたいけど何読めばいいかわからないという方は、直木賞受賞作品を選んでみるのも良いのではと思います。(文量はけっこうあったりしますが。)
そしてこの「宝島」。読後一発目の感想としては、「熱い!熱すぎる!」でした。
本の世界に引き込まれて、その世界の温度や湿度、人の熱量や熱気、そして懐かしくて不安で楽しくて甘美な匂いがぷんぷんに立ち込めていました。
この本の舞台は、戦後の沖縄。そして実質的なアメリカの統治から日本へ返還されるまでのお話です。もっとも熱くて混沌としていて激しかったころの沖縄の物語、手に汗握らずに読むことは不可能です。
沖縄人と米軍と日本人。それぞれの思惑が複雑に、けれど真正面からぶつかり合う熱い戦いがストーリーの中心。沖縄を郷土を愛する沖縄人(ウチナンチュ)の3人の幼なじみの想像を絶する過酷で濃密な青春には心を打たれました。
本当に、骨太で熱すぎる作品で、漢たちの話!という感じでしたね(笑)
それにミステリーの賞をとっていることからも分かる通り、ミステリー要素もあって最後まで結末が分からないドキドキワクワク感もあり、500ページを超える文量だけど、あっという間に読めてしまいます。
読んでいる最中は、常にどこかに不安が転がっていてふわふわした心地、また臨場感や緊迫感も隣り合わせで、落ち着いて読むと言うよりは、スポーツをしているようなそんな感覚でした。
そのくらい感じる熱量や熱気は凄まじくて、良い意味でヘトヘトになる作品です!
これから夏がきて気温も上がります。そんな時だからこそ、身も心も熱くなるこの「宝島」がぴったりだと思います(笑)
それでは今日この辺で!
ありがとうございました。